第1回年伊南川100kmウルトラ遠足
(2010/10/23)


『伊南川』は、福島県の南西に位置し、群馬・栃木・新潟に囲まれた場所、檜枝岐村(帝釈山脈)を源流に、旧伊南村・南郷村を通り、只見町で合流して只見川となり、その流れは阿賀川、阿賀野川と名前を変えながらそのまま日本海(新潟県)まで続いています。
 山なみの紅葉がもっとも美しくなる季節に、伊南小学校『古町の大いちょう』前をスタートし、伊南川の源流に向かって走ります。途中、国立公園尾瀬周辺を経て、澄み切った川を眺めながら伊南川を巡るコースでした。




完走記

福島県南会津郡南会津町で開催された、「第一回伊南川100キロウルトラ遠足」に行って来ました。制限時間をすぎても、海宝さんの大会だったので、完走するつもりでいたのですが、中間地点で後方ランナーはみなさんリタイアされ、R子ちゃんとわたしだけ、「絶対、完走する」と言って走っていたら、大会スタッフの方が車で追いかけてきて、暗くなるとあぶないので、コースカットを申し渡されました。83キロ完走しました。日が落ちてからは、道は、時折車がスピード出して走る舗装道路なのですが、街灯なし、トンネルもライトなし、民家もなしのほんと真っ暗でした。ふたりで数時間、話しながら走ったり、歩いたり。満月の月明かりがありがたく、街の灯りが恋しかった。R子ちゃんは、40キロすぎてから、知り合った人です。ふたりとも、ぜったい完走という考えでした。ほんとに、ほか誰もいない。灯りなしの道のりは長かったです。ヘッドライトと、地図だけが頼りでした。ゴールの所でR子ちゃんが「いっしょにゴールしよう」と言ったけど、「R子ちゃん先に行って」と言ったのが最後、ほかの知り合いと話していて、「さよなら」も言わないままでした。でも、それはそれでよかったように思います。また、どこかで会えるかもしれないし。初めてのウルトラでしたが、たくさんも「つわもの」の方たちと出逢い、いっぱいランニングの話をして、故障をかかえながらも、なんとか83キロ走れて、しあわせでした。紅葉した山、澄み渡った青空、勢いよく流れる伊南川、出会った人、かわした会話、それらすべてを記憶にとどめておこうと思います


30キロ地点

ほんとは、歩くのもままならない状態だったので、毎日悶々としていました。それでも、行かないという選択は、どうしてもできなくて、できるだけやって納得したかったので行きました。選んだインソールを二枚いれて、サポートソックスをはいて、痛み止めを飲み・・・、そんなにしてまでしなくてもいいようなものですが。ずっと伊南川は頭の中にあって、どんなかたちであれ、これが終わらないことには、次に進めないのです。500メートルを30キロかけて、ゆっくり登りました。これは、楽!紅葉きれいし、いいところだな国立尾瀬公園の600メートル一気のぼりがこたえました。天王山みっつぶん登ったみたいでした。歩き限定だから楽勝と思っていたら、大間違い。あそこで、時間も体力も脚力もとられました。それは、みんな言っていました。峠から、今度は16.5キロを一気下り!もう足もびっくり!踏ん張り方がわからない。そして、やっと中間点53キロ。おにぎりとトン汁を食べて、休憩。そこからR子ちゃんとのふたり旅。初めは余裕だったのですが、日が落ちてからは、暗闇の中、恐怖と不安と焦燥・・・、それでも、ふたりだったから耐えられました。満月の写真も撮ったし。なんとしてでも、捜索隊がでないうちに、みんなの元に帰らなければ。ずっと、そう思っていました。今は、すべてがいい思い出で、しばらくにっこり、しんみりしときます。
すずきえいこ