熊野古道伊勢路の旅(3/26-27


1日目≪新鹿から大吹峠・松本越え

熊野古道ハイクも今回で5回目。第1回目は新宮から本宮への中辺路コース、第2回目以降は伊勢路コースで、紀伊長島から尾鷲、第3回目は
梅ヶ谷から紀伊長島、第4回目は尾鷲から熊野までした。今回は、熊野から新宮へ、これまでと同様に一泊二日の旅でした。午前6時半過ぎ、1台の車に分乗(沖本、家村、鈴木、大久保の4人)して水無瀬駅前を出発、第2名神高速道路に入った辺りから雪が沢山降り始め、休憩地の土山SAでは辺り一面の山々が雪化粧しており、今回は雪道をハイクしなければならないのかと一時憂鬱な気分になりました。しかし、亀山ICから伊勢道に入った頃には雪らしき景色は全く見られず、鈴鹿山系の高所のみで雪が降り積もっていたようです。午前10時半過ぎに熊野市の民宿(海望)に到着。荷物を民宿に預け、国道沿いで海岸に対峙している名勝天然記念物の獅子岩を右手に見ながらJR熊野市駅までハイク。午前11時過ぎの紀伊長島方面行きの電車に乗りJR新鹿駅で下車。午前11時半頃、JR新鹿駅から波田須方面へハイクを開始しました。鎌倉期に造成されたといわれる石畳をたどり波田須神社に到着。ここで昼食をとった後、神社を下ると棚田が続く集落が一望でき、こんもりとした木立に徐福の宮(秦の始皇帝の命で不老不死の霊薬を求めてきた徐福がここに到着したと伝わっている徐福の墓がある)が見えました。徐福の宮には寄らずに、大泊海岸に出て、その後、海岸から国道に出てしばらく歩くと右手に小さな公園があり、公園の横を大吹峠へと登って行きました。ここから登る松本峠への石畳道は、波田須の道から泊観音(大泊町)へ詣でる観音道と大吹峠を越えて熊野三山(本宮・那智・速玉)や那智山へ詣でる伊勢路が登りの途中で合流しており、松本峠には予定通り午後2時過ぎに到着。一休みした後、峠を少し下ると梅林があり、ここからは眺望の素晴らしい七里御浜海岸(約22キロも続く日本で一番長い砂礫海岸)や紀伊山地の山並みを望むことができました。熊野古道の石畳道の敷石は、時代によって特徴があり、時代が新しくなると、石と石との隙間がなくなります。松本峠を下ると明治時代の石畳道があり、この時代は加工された石が隙間なく敷き詰められていますが、江戸時代の石畳道は自然の石を使っており、急な坂は石と石との間を隙間なくつめており、平坦な所では間を広くとっています。熊野市波田須町にある鎌倉時代の石畳道の敷石は大きな自然石を使って間を広くとっていました。石畳を下って木本神社を経てJR熊野市駅前に出ました。駅前のコンビニ店で、明日の朝と昼のおにぎりと飲み物を調達。その後、熊野市街地をしばらく歩くと朝歩き始めた時に見かけた獅子岩のある国道に出ました。ここからは今夜の宿、民宿・海望まではもうすぐ。民宿は国道を隔てた七里御浜海岸に面していました。早速、民宿の風呂に入った後、民宿は素泊まりでしたので二軒隣にある居酒屋に入って夕食をとりました。

2日目≪七里御浜から熊野速玉大社へ≫

翌朝、550分頃に、民宿のベランダから熊野灘から昇る日の出に感動しました。昨日に続いて、2日目も素晴らしい天気となりました。午前7時半過ぎ、新宮・速玉大社を目指してハイクを開始しました。過去4回、そして昨日までの熊野の古道はいくつかの峠を登ったり下ったり、海岸沿いの山道を横切って歩く険阻な道のコースでした。しかし、今回の二日目の浜街道コースは例外でした。国道の歩道をしばらく歩いていると、右手に花の窟(いわや)神社を見かけました。高さが70メートルの巨岩がご神体で、イザナミノミコトの墓所とされているようです。神社から少し歩いて立石の道標に突き当たり、国道を横切って七里御浜海岸に沿った防風林の中に入り、遊歩道を1時間程歩きました。市木川河口で国道から旧道に出て、更に国道と合流する手前で市木一里塚の石碑がありました。一旦、海岸の堤防に出て、しばらく堤防から熊野灘を眺めながら歩いていると前方が行き止まりとなっており、一旦、海岸に出て、砂礫の上を歩くことになりました。浜辺の砂礫の石は大きさが揃っており、全て丸みを帯びていました。途中から七里御浜の松原遊歩道に入り、しばらく歩いた後、白砂青松の七里御浜から国道に出て、歩道橋を渡って道の駅パーク七里御浜に到着。道の駅では、この地方で有名なサンマ寿司を買って食べました。小休止した後、国道の歩道を歩いていると左手の防風林に六部の墓がありました。言い伝えでは、行き倒れた巡礼者を供養したものでした。再び、国道の歩道を歩き、途中から右に入り、横手地蔵を目指して少し坂を登って行くと高台の道に出て、さらに前に進めると横手延命地蔵に到着。横手延命地蔵は、病気平癒のご利益があるとして尊ばれ、特に祠の元より湧き流れる水は昔から霊験あらたな霊水として有名で、今でもこの水を求めて遠近から参詣者が絶えないとのことです。横手地蔵を少し過ぎ、熊野灘が見下ろせる場所で昼食としました。熊野灘の大海原を眺めていると、遠くに大型タンカーが運航しているのが見えました。昼食後、バイパスにかかる橋を越え、坂を下って行くと神内川に突き当たり、橋を渡って進むと粥森様が祀られている祠がありました。紀勢本線の踏切を渡り直進すると熊野川に出ました。対岸の新宮市街を見ながら熊野大橋を渡り速玉大社前の交差点を右折すると、その向こうには熊野速玉大社の鳥居が見えていました。速玉大社は二回目で、早々と参拝を済ませた後、20分ほど歩いてJR新宮駅に到着、予定より早めに着いたため、駅構内2階にある喫茶店で休憩を兼ねて時間待ち。午後235分発の伊勢長島方面行き電車に乗って熊野市駅で下車。車は民宿に駐車していたため、駅から民宿へ直行。帰り支度を済ませた後、民宿を出発。一般路から高速道路・伊勢道に入りしばらくすると、いつものように、津から亀山ジャンクションまで渋滞しており、島本に帰ってきたのは予定時刻を大幅に過ぎていました。