燕岳登山に参加して 


毎年、島ランメンバーの沖本さんの声掛けで信州方面の山々へ登山してきました。昨年は白山、今年は北アルプスの入門コースで、北アルプスで一番早く頂上に立てる山の一つでもある燕岳(標高2763m)でした。今回の参加者は沖本さん以下、島ランメンバーの松原さんとその友達2名、メンバーの谷口さん、家村さん、藤田さん、Hさん(辻さんの友人)、そして私の計9名でした。私以外は、いつもの様に大阪から自家用車2台に分乗して大山崎ICから名神、中央道を通って豊科ICから一般道に出て登山口へ。私は金曜日の午後、電車を利用して新宿回りで穂高駅へ、駅前のビジネスホテルに前泊して早朝5時始発の乗合バスに乗り登山口に向かいました。乗合バスで登山口に到着したのは午前6時前で、沖本さんら自家用車組の到着を待っていました。自家用車専用の駐車場が一杯で止めることができず、道路脇に止める場所が登山口からかなり遠くになったようでした。午前8時前に全員が揃ったところで登り始めました。登山口から山小屋のある燕山荘までのコースは、標高差が約1300mもあり、アルプスでも有名な急坂の一つと言われており、標準タイム4時間余りで登れるところを約6時間の設定でゆっくりと休憩を取り入れながら登りました。梅雨明けの月下旬の土曜日とあって登山道は非常に混雑していました。第1、第2及び第3ベンチ、さらに富士見ベンチを経て正午前に合戦小屋に到着し、ここで昼食としました。合戦小屋では名物のスイカが一切れ(1/6位)が800円で売られており、売れ行きも上々のようでした。その後、合戦小屋から1時間半かけて燕岳頂上の稜線に到着、燕山荘(標高2712m)は稜線上に建てられていました。ここからの眺望は予想していた通り素晴らしく、槍ヶ岳、穂高連峰が望めて、きつい坂を登ってきた苦労が一変に報われました。今回登ったコースは皇太子様が御成婚後に登られたと聞いており、そのためかコースも十分整備されていました。燕山荘は、「泊まってよかった山小屋の全国第1位」(2008年、山と渓谷社本誌)とのことで、建物、水道・トイレ、食堂も綺麗でした。早速、荷物を山荘に預け、山荘の小さな広場で北アルプス裏銀座の大パノラマをバックに記念撮影。その後、山荘周辺を散策し、山荘の裏側には花崗岩が風化してできたイルカの頭に似たイルカ岩がみられました。また、周辺一帯は砂礫地が多く、高山植物の女王とも言われているコマクサも沢山見ることができました。山荘内に入ると、沢山の登山客で溢れ、我々9名は四畳半くらいの小さな部屋に案内されました。一人あたりのスペースとしては一畳に二人の割合のようでした。おそらく定員(600人)以上が泊まっているのではないかと思われました。夕食前でしたが、おつまみを持ち寄って生ビールで乾杯。夕食は人数が多いため何班かに分けて行われていました。各班の夕食後には、山荘の支配人によるアルプスホルンの吹奏が行われていました。ボディが木製で筒の長い金管楽器アルプスホルンは写真では知っていましたが、本物を見るのは今回が初めてでした。夕食も終わり、我々9人にあてがわれた部屋は余りにも狭いので毛布と枕を持ち出して階段付近の通路に寝場所を確保し、早めに寝ることにしました。早朝5時に起床し、前日は槍ヶ岳の頂上付近が雲に隠れて見えませんでしたが、今朝は快晴とは言えなかったものの、天に向かって尖った槍ヶ岳が一瞬見ることができました。また、ご来光も雲の間から見ることができて登ってきたかいがあったと思いました。その後、荷物を山荘に残したまま燕岳の頂上を目指しました。花崗岩のモニュメントを縫うようにして稜線を登っていくと40分位で燕岳(2763m)頂上に到着。三角点のある頂上からは槍・穂高連峰をはじめ裏銀座の山々の大パノラマを満喫することができました。頂上は場所が狭くなっていましたので少し下ったところで記念撮影。撮影を終わったところで下山を開始。燕山荘へ戻る途中、砂礫地にはピンク色の可憐な花を咲かせるコマクサが群落を作っていました。また、花崗岩が風化してできた不思議な格好をしたメガネ岩で記念撮影。燕山荘に戻ってから朝食としました。朝食も終え、午前7時過ぎ、前日に登ってきた同じコースを下り、午前10時過ぎには登山口に到着。ここで大阪へ帰る自家用車組と分かれ、私は登山口の傍にある日帰り立ち寄り湯「湯原の湯」に入り、登山の疲れを癒しました。「湯原の湯」に併設されている食堂で昼食を済ませた後、事前にネットで予約していた近くの「中房温泉」に向かいました。この温泉宿泊施設では相部屋でしたが、20畳の大部屋に私を入れて5人で、昨日泊まった燕山荘とは比べものにもならない程に余裕もって布団を敷くことができました。夕食のメニューも川魚や山菜料理が中心で、ご飯も美味しくいただくことができました。ここは標高1500m位のところなので、クーラーなどは設置されていませんでしたが快適に眠ることができました。相部屋で一緒に泊まった一人は大阪から来られた若い方で、ここから燕岳、大天井岳を経て東鎌尾根から槍ヶ岳に登り、その後槍沢、横尾、上高地に下りてくるとのことでした。もう一人は岡山から来た方で私より4-5歳上のようでした。雲ノ平、水晶岳、湯俣岳、高瀬湖を経て信濃大町まで行った後、こちらに立ち寄ったとのことでした。この方はここで一泊して翌日東京に住む娘さんとお孫さんにお会いするとのことでした。翌朝も温泉に入り、朝食を済ませた後、午前8時半の乗合バスで穂高駅へ。大糸線のローカル電車で松本駅へ、松本駅からは「スーパーあずさ号」に乗り新宿駅経由で藤沢市辻堂新町に帰ってきました。今年の夏も、北アルプス表銀座・裏銀座の大パノラマの眺望、源泉が湧き出る中房温泉を思う存分楽しむことができました。(Y.O 


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